蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

当山に眠る孤高の日本画家 田中一村

■『評伝 田中一村』(大矢鞆音、2018、生活の友社)

 田中一村に関する本の決定版が出た。
 著者は田中一村作品研究の第一人者で美術評論家の大矢鞆音氏(元NHK出版美術部長)。田中一村に関する本で、著者といい内容といい、これ以上のものはもう出ないだろうし、出る幕もないと言いたくなるほどの力作である。
 著者の大矢氏は、『田中一村作品集[増補改訂版]』(2013、NHK出版)をはじめ一村に関する本を何度も刊行してきたが、その集大成ともいえる今回の出版は33年に及ぶ取材をもとに平成17年(2005)6月から同25年(2013)4月まで合計218回南海日日新聞に連載した記事に手を入れたもので、一村自身が残した言葉「道法自然」「奄美十二か月」「墨絵の近代化」をキーワードに一村の実像に迫ったものである。
 田中一村の生涯と画業に関心のある方は、この本一冊で充分一村の世界を知ることができる。

『評伝 田中一村』(大矢鞆音、2018、生活の友社)
第Ⅰ章 生誕の地栃木と東京での暮らし
第Ⅱ章 千葉時代
第Ⅲ章 奄美時代の一村~奄美第一期
第Ⅳ章 再びの奄美~奄美第二期