蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

開運厄除大師 大師堂(祈願堂)

大師堂
大師堂内
三鬼尊
大師堂内、右脇壇に鎮座する「三鬼尊」
お聖天
堂内、左脇壇に祀られる「お聖天」2体
寿老大師
堂内左手前、「寿老大師」
(通称「ピンコロ大師))
なで五鈷
堂内外陣正面、開運厄除の「なで五鈷」
畳にあがって自由にお参りできます
御守
おみくじ
堂内手前、心身安全「五色の輪」ほか御守・おみくじ

正面の須弥壇には主尊の「開運厄除大師」が、右の脇壇には「悪運断ち」の「三鬼尊」が、左の脇壇には「縁結び」「夫婦円満」「商売繁昌」の「お聖天(歓喜天)」が鎮座し、正面の須弥壇の左右には、右側に日本修験の祖「役行者」、左側に真言修験の祖「理源大師」がお祀りされています。

堂内外陣の正面には「なで五鈷」があり、お大師様のシンボルである「五鈷」のご利益をいただけるよう、何度でもなでてはその手を身体の不調なところに当てることをお奨めしています。それを「手当て」といい真言宗では「お加持(かじ)」といいます。

また、堂内入ってすぐの正面では「開運厄除御守」「当病平癒御守」や「交通安全御守」「心身安全五色の輪」(全国でも珍しい手首つける「五色の輪」)や「おみくじ」を求めることができます。

大師堂は、当山の祈願道場で新年護摩祈願など真言宗特有の護摩祈願を行うとともに、日頃は自由参拝のお参り堂として公開されています。

今年も、元旦に3座、翌2日に1座、4日に1座、家族づれ檀信徒の皆様や会社関係の各位が参列するなか、当山住職導師のもと新年護摩祈願法要が行い、家内安全・商売繁昌・交通安全・厄災消除・身体健全・開運成就・事業繁栄・社運隆昌・受験合格・当病平癒・良縁成就・子宝安産・学業成就など、寄せられた心願の成就を「開運厄除大師」に祈願いたしました。終って導師住職の年頭の法話、そして恒例の宝くじ券授与が行われました。

正月護摩
正月護摩

住職の年頭法話(2019年)

皆様、新年明けましておめでとうございます。ただ今、今年最初の新年護摩祈願法要を心を込めて厳修し、皆様の願いがこもった御札を護摩の火に当ててお加持し、開運厄除大師に皆様の心願成就をお祈りいたしました。皆様におかれましても、この願いを心に秘めながらこの一年心身ともにお健やかにお過ごしいただきますようお願い申し上げます。万一、悪運・悲運・病魔・苦しみ・悩み・悲しみなどに遭遇した時は、この大師堂にこられ「南無大師遍照金剛」を一心にお唱えください。お大師様は皆様を決して見捨てはいたしません。

明けて今年は、4月30日までが平成31年、5月1日からが新元号、西暦2019年、亥(いのしし)年、歳神様がいる恵方は東方の北寄りの方角です。

ご承知のように、今の平成天皇は4月30日を以て退位され、代って翌日の5月1日に皇太子殿下が新天皇として即位されます。新しい元号は4月1日に政府が決めて発表になります。

その平成天皇ですが、元旦の今朝まだ暗いうちに身を清めてお支度をされ、5時30分に、天皇しか着られない装束で宮中「神嘉殿(しんかでん)」の南庭にお出ましになられ、そこに設けられた「御座(ぎょざ)」から「伊勢神宮」・「天皇陵」そして東西南北の四方の神々に拝礼され(「四方拝」)、災いを祓い豊作を願い、国の平和と国民の安寧を祈られました。これが日本の新しい年のはじまりで、日本の新年は天皇による神事ではじまります。私たちで言えば、玄関先に松飾りをつけ、おせち料理を用意して歳神様を迎え、今年の無事を祈ります。これ、私たちにとりましても神事です。

そして初詣です。身近な神社やお寺、あるいは有名な神社仏閣、それぞれに願いを込めて一年の無事と多幸を祈ります。皆様は年のはじめに当山の新年護摩祈願に参列されました。今年最初の仏事です。成田山にも川崎大師にも高尾山にも高幡不動にもおおぜいの方が今頃参拝しているでしょう。そう、日本の新年は神事のほか仏事でもあります。日本人は古来、天皇陛下から私たち国民全般、一年を神仏に祈ることからはじめているのです。

 今の天皇陛下の退位とともに平成の時代が終ります。平成の御世は「平らかに成る」とは裏腹に、その幕開けからいろいろなことが起り多事多難でした。なかでも自然災害は尋常ではありませんでした。日本は火山と地震の多い国で、昔から火山の噴火や大地震に見舞われてきましたが、どうやら時期的に多発の周期に入ったようで、大地震が何回もあり、毎年どこかで台風や集中豪雨の甚大な被害が出ました。

 天皇皇后両陛下はそのつど被災地をまわられ、犠牲者を慰霊し被災者を見舞ってこられました。時には避難施設の床にひざまずいて被災者を励ましました。自ら考え自ら決めた「国民に寄り添う天皇皇后」のあり様だったと思います。

そのお姿を別な言葉で言いますと「国父(こくふ)」「国母(こくぼ)」。国と父、国の母です。つまり、天皇陛下は日本の父のなかの父であり、皇后陛下は母のなかの母。私たち国民の父・母として、30年余ほんとうにご苦労さまでしたと申し上げるほかありません。

新しい元号は何になりますか、5月1日からは新天皇の御世です。この日本にとって安全ないい時代であり、国民が心豊かで老いも若きも安心して暮らせる時代になることを祈りたいと思います。

天皇皇后両陛下が交代される年のはじめに当り、一言お話させていただきましたが、日本という国は経済と科学技術、つまりカネとモノだけの国ではなく、古来の伝統文化や宗教民俗が私たちの心の底に生きている国だということを、改めてご認識いただくことを強調してお話を終りたいと思います。新年早々、にぎやかにご家族おそろいでお参りをいただき、まことに有難うございました。ご苦労様でした。