蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

当山に眠る孤高の日本画家 田中一村

■『一村忌に寄せて』

 9月11日は42回目の一村のご命日(一村忌)でした。朝から終日お墓に一村ファンのお参りがありました。
 そういう時季でもあり、思うところあって一村の法名について説明しておきます。

法名:真照孝道信士(しんしょうこうどうしんじ)

大自然の生命の営みや躍動といった作為のない真実の美(真)に日本画の画法の光を照射し(照)、その真実の美を画家としての良心にかけて描く、そうしたウソのない画業の道(道)に忠実に愚直に(孝)生き、虚飾のない作品で中央画壇に対峙した、画心一如の画家、男らしい気概に満ちた信念の士(信士)、絵を画くなかですでにニライカナイ(水平線の彼方の浄土=海上他界)に心を遊ばせていた(=仏の心境にあった)人(信士)、という意味。