感染者を減らす気がなくなった?東京都民・東京都在住者
令和3年7月1日
とうとう今月に迫った東京オリンピックですが、東京都のコロナ感染者数は「まん延防止期間」中にもかかわらず増加傾向にあり、このままいくとオリンピック開催中の今月末には一日一〇〇〇人をまた越えると言われ、悪くするとオリンピックの最中に緊急事態宣言になりそうです。
東京オリンピックは何度も言うように最初からケチがつきっぱなしですが、一年延期しても、政府の対応のノロマさ・生ぬるさ、要は政策的失敗により、一年前よりずっと厳しい状況での開催になりそうで、それなら去年予定通りにやっておけばよかったわけで、よくよくケチがついてまわります。こんなにたびたびケチがつくのは疫病神が憑いているようなものですが、そんな迷信よりも東京都や組織委員会やJOCや政府の関係者の運気が悪く、具体的に言えば能力に欠けるところがあり、こんな状態では「やめる」ことが一番の答えなのですが、「やめる」気配はさらさらなく、学童から運動会という楽しみを奪ってでもオリンピックは強行されるようです。
然るに、東京オリンピックはそもそも東京都(の石原慎太郎知事)が言い出し、東京都民はこれを是とし、賛成意見はいっこうに盛りあがりませんでしたが反対も多くはありませんでした。滝川クリステルさんの「オ・モ・テ・ナ・シ」から少しずつ盛り上がりましたが、東京都民にそもそもオリンピックをバックアップする気持ちが高まっていたかどうか疑わしいものがあります。ここのところの東京の感染者数を他県から見ると、東京の人たち(都民・在住者)が、東京オリンピックのために、外での飲食を控え、カラオケを控え、夜の遊興を自粛し、不要不急の外出を自重し、密になる場や人との接触を避け、マスク着用を励行し、両手の除菌とうがいと検温を行い、職場やご近所や友人知人・家庭から集団感染を出さない、そうした自主的な感染防除努力をする気がなくなってしまったように見えます。とくに若い世代に、「オリンピック?そんなの関係ねえ」といった気分があるという社会批評も聞こえてきます。
菅総理の、感染症専門家の助言を自分の都合で時に無視して感染防止と経済活動維持の両立を図る、冷房と暖房の同時作動のような政策の失敗や、小池都知事のパフォーマンスのわりに結果が出ない行政手腕の疑わしさに、東京都民や都在住の皆さんがシラケる気持ちは重々わかります。感染者が減らないのは、いくら自助努力・社会協力をしたとていつになっても報われない、そして結果が出ないからでしょう。結局、政府・東京都の危機管理能力のなさが原因ですが、もうそんな愚痴を言っている時でもありません。東京都が自ら言い出し、それを都民が是とし、東京オリンピックが目の前まできた以上は、ここのところは日本の首都東京の都民らしく、在住者らしく、良識をもって「オ・モ・テ・ナ・シ」のオリンピックを、また忘れてならないのは東日本大震災からの東北の「復興オリンピック」だということを、肝に命じてこの夏を乗り切ってもらいたいものです。オリンピック・パラリンピックの成否は、東京都の感染者数がせめて二ケタ台になることにかかっています。世界が見ています。