蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

閑話休題

この国は国民を守る国か?

令和5年03月01日
ウクライナの悲惨なニュースをテレビで見るたびに、近い将来の日本をだぶらせて見てしまうのは私だけでしょうか。
台湾有事が中国習近平体制のもとで現実化している今日、ひとたび台湾海峡に戦火があがれば、たちまち沖縄本島・八重山諸島・その他米軍基地のある日本国中の都市がまきこまれるのは必至です。
北朝鮮は、アメリカや国連の経済制裁も何のその、着々と原爆搭載可能な大陸間弾道弾(ICBM)を実戦化し、アメリカに原爆を落せるようになるのも時間の問題で、日本に向けた短距離ミサイルはとっくに実践配備されています。
ロシアは、ウクライナ戦争で日本が西側(ウクライナ)に味方したため、待ってましたとばかりにこれに便乗して、北方領土問題や経済協力問題や日露の国交改善の外交関係に急ブレーキを踏み、日本を敵対国とみなすようになりました。鳩山一郎首相の訪ソにはじまる戦後の長い日露の国交改善努力は、プーチンのウクライナ侵攻によってストップを余儀なくされ、今後日本とロシアの関係は敵対関係がつづくことになるでしょう。その証拠に、すでに北海道から対馬の日本海では、中国とロシアの艦隊が軍事訓練を行い、上空でも両国の戦闘機が偵察訓練を行っています。
不幸なことに、外交努力とはうらはらに、日本の周辺には日本を敵視する国が並び、そろいもそろって独裁・強権・国際非強調路線ばかりで、日本がバブル経済に浮かれ、そのあともデフレ経済にあえぎながら、なおバブルの夢から覚めず、年々国力を衰えさせているのを尻目に、日本にまったく敬意を払わない隣国になりました。それに最近は韓国までが日本をバカにしています。
岸田政権になってやっと国防予算を倍増して、自衛隊に不足していた武器弾薬・高性能迎撃ミサイルなどを補充し、実践対応能力を高めることになりましたが、私たち自身はと言えば、周辺地域の危機をわが身の問題だとは思えず、国(自衛隊)とアメリカが助けてくれるという幻想の平和ボケ・経済ボケの状態にあって、自分の国は自分で守る自覚も気概もありません。はたしてこの国は一朝有事の際に、国(自衛隊)は国民の生命・財産を守れるのか、ウクライナのような犠牲を出さないか、国(自衛隊)ばかりでなく私たち自身も、ウクライナの国民のように戦えるのか、まったく心もとない始末です。
沖縄本島近くの無人島の過半の土地を、中国人の不動産関係者らしき女性が購入したと話題になりました。嘉手納基地までそう遠くはなく、民間人を装った中国政府につながる関係筋とみなされて当然です。前にもふれたことがありましたが、沖縄の米軍基地周辺の土地を中国人の不動産業者と称する人たちがとうに買い漁っています。北海道では千歳基地(自衛隊)周辺やその他軍用の土地周辺が、やはり中国人によって買われています。中国の偵察気球は世界中の空を飛び、最近アメリカで撃ち落とされましたが、中国の世界制覇にとって必要な国の国家機密を通信傍受していました。日本の国会(予算委員会)のテレビ中継で、このような事態に関する議論を聞いたことがありません。国の機密に関することなのでテレビで公開したり、テレビも番組にしないのかも知れませんが、国民は何も知りませんので、自覚ができません。だから、いざ台湾周辺で何かが起こっても他人事になるでしょう。ウクライナの国民のように、自分も戦うとか地下に潜って半年も一年も耐乏生活をしのぐとか、自覚的・自律的にはなりません。国民にその気概がなければ、また敗戦国の憂き目です。中国・北朝鮮・ロシアの独裁体制は、平和ボケ・経済的ボケして、危機管理すらできてない、危機対応ものろくお粗末な民主国家日本を、上から目線でアザ笑っているのです。