脱トーキョーのすすめ
令和6年07月01日
東京都知事選がはじまりました。事実上、小池現知事と蓮舫さんの一騎打ちですが、私の見るところ、現職小池さんの有利は動かないようで、蓮舫さんは落選したらまた国政に復帰することになっているとか、フェイクを交えた情報が飛び交っています。
それにしても、この二人の政策発表をニュースで聞いて、どちらも首都東京の基本的な都市構想はどこかに措き、都民ファーストという名の住民サービス(ポピュリズム)を強調し、無党派層の人気を得ようとしています。他の都道府県知事選なら住民サービスの政策競争もいいでしょう。しかし東京は、その財政規模がオーストリアやスウェーデンの国家予算と同じレベルの日本の首都です。その首都東京に日本の人口が集中し、地方が人口減・過疎に悩んでいます。このいびつな日本の人口分布の元凶が「何でも東京」の一極集中にあります。
この一極集中の打開策として、平成二年(一九九〇)十一月、衆参両院は本会議で「国会移転決議」を採択、平成四年十二月、「国会等の移転に関する法律」が施行され、平成八年六月、政府の諮問機関「国会等移転審議会」が初会合を開催し、平成十一年(一九九九)十二月、「国会等移転審議会」は小渕総理に対し、候補地として「栃木・福島地域」「岐阜・愛知地域」のほか、将来の移転候補地として「三重・畿央地域」を答申し、そのうちの「栃木・福島地域」、具体的には栃木県那須野が原の国有林地域と福島県阿武隈地域にまたがる地域が評価項目の点数で最高点だったと報告しました。
ところが、折しも平成十一年(一九九九)四月に東京都知事になった石原慎太郎さんはこれに絶対反対して待ったをかけ、東京からの首都機能の一部地方移転を阻止しました。以後、東京の一極集中打開策はピタッと止り、逆に東京への人口流入に拍車をかけました。私が言う首都東京の基本的な都市構想問題というのは、超過密都市東京の人口問題をどうするか、ということで、これは人口減少・経済力衰微・国力衰退の一途をたどる日本の近未来、逆に言えば、地方で安心して子供を産み育て教育できる大都市と地方の均衡ある社会、人口増・地方再生の問題に直結する問題で、都知事の最大の政治課題です。
二十三区内はせめて今の半分の人口になるべきです。働き盛りの若い夫婦の働き方改革のモデルになるでしょう。生活費や教育費が安く、医療や教育環境や商業施設もととのっている地方に住み、安心して子供を二人もうけ、近くの保育園・認定こども園・小中高に通わせ、首都圏とつながった仕事を地方でこなし、現役を引いたら自然も豊かな田舎暮らしをエンジョイする、人間らしい人生設計をおすすめします。働き盛りが脱トーキョーすれば、東京は自然に人口減になります、脱トーキョーこそが、AI時代の「通」の生き方です。
それにしても、この二人の政策発表をニュースで聞いて、どちらも首都東京の基本的な都市構想はどこかに措き、都民ファーストという名の住民サービス(ポピュリズム)を強調し、無党派層の人気を得ようとしています。他の都道府県知事選なら住民サービスの政策競争もいいでしょう。しかし東京は、その財政規模がオーストリアやスウェーデンの国家予算と同じレベルの日本の首都です。その首都東京に日本の人口が集中し、地方が人口減・過疎に悩んでいます。このいびつな日本の人口分布の元凶が「何でも東京」の一極集中にあります。
この一極集中の打開策として、平成二年(一九九〇)十一月、衆参両院は本会議で「国会移転決議」を採択、平成四年十二月、「国会等の移転に関する法律」が施行され、平成八年六月、政府の諮問機関「国会等移転審議会」が初会合を開催し、平成十一年(一九九九)十二月、「国会等移転審議会」は小渕総理に対し、候補地として「栃木・福島地域」「岐阜・愛知地域」のほか、将来の移転候補地として「三重・畿央地域」を答申し、そのうちの「栃木・福島地域」、具体的には栃木県那須野が原の国有林地域と福島県阿武隈地域にまたがる地域が評価項目の点数で最高点だったと報告しました。
ところが、折しも平成十一年(一九九九)四月に東京都知事になった石原慎太郎さんはこれに絶対反対して待ったをかけ、東京からの首都機能の一部地方移転を阻止しました。以後、東京の一極集中打開策はピタッと止り、逆に東京への人口流入に拍車をかけました。私が言う首都東京の基本的な都市構想問題というのは、超過密都市東京の人口問題をどうするか、ということで、これは人口減少・経済力衰微・国力衰退の一途をたどる日本の近未来、逆に言えば、地方で安心して子供を産み育て教育できる大都市と地方の均衡ある社会、人口増・地方再生の問題に直結する問題で、都知事の最大の政治課題です。
二十三区内はせめて今の半分の人口になるべきです。働き盛りの若い夫婦の働き方改革のモデルになるでしょう。生活費や教育費が安く、医療や教育環境や商業施設もととのっている地方に住み、安心して子供を二人もうけ、近くの保育園・認定こども園・小中高に通わせ、首都圏とつながった仕事を地方でこなし、現役を引いたら自然も豊かな田舎暮らしをエンジョイする、人間らしい人生設計をおすすめします。働き盛りが脱トーキョーすれば、東京は自然に人口減になります、脱トーキョーこそが、AI時代の「通」の生き方です。
それにしても、東京都知事に品格がなくなりました。はじまりは放送作家でテレビタレントの青島幸男さんで、政治行政にはまったくズブの素人でした。それが日本の首都東京の顔でした。石原さんは仮にいいとしても、結局は「東京から日本を変える」ができませんでした。ずっと苦言していた横田基地の米軍が押えている空域の問題も解決しませんでした。続く作家の猪瀬直樹さんも評論家の舛添要一さんも政治行政の素人で、途中スキャンダルで失脚しました。続く小池さんですが、政治経験は充分としても、この人に私は政治家としての品格を感じません。この八年で老獪かつちょっと高慢な政治家・策士になりました。とりつくろった冷たい笑顔が上手になりました。元側近の弁護士若狭勝さんなどが離れています。そこに蓮舫さんです。彼女も政治家としても品位を感じたことがありません。今度の出馬表明の日から作り笑いが目立つようになりました。青筋立てた怒り顏が似合う彼女に、とりつくろいの笑顔は似合いません。今度の都知事選はとどのつまり、老獪なタヌキと吠えまくるキツネの化かし合い。都民有権者の前でどううまく好感度を演出するか、所詮は人気投票・知名度の競争にすぎません。そんなレベルで行われる都知事選は、ほんとうに民意の集約になるのでしょうか、この頃は露骨で仁義なき妨害まで起る選挙は、ほんとうに民主主義の根幹なのでしょうか。民主主義とは何か、も東京に問われています。
重ねて言いますが、東京は日本の首都、一極集中の超過密都市。都民ファーストの人気取りポピュリズムではなく、この都市構造・都市機能のハードの問題に正面から取り組むのが都知事の責務です。首都機能一部移転、国会等移転問題を止めたままでは無責任です。
重ねて言いますが、東京は日本の首都、一極集中の超過密都市。都民ファーストの人気取りポピュリズムではなく、この都市構造・都市機能のハードの問題に正面から取り組むのが都知事の責務です。首都機能一部移転、国会等移転問題を止めたままでは無責任です。