寺務雑記
■2022年06月01日(水)
「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は梅雨・梅雨の花の俳句です。
次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
スマホ・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文が飛び交うことを願っています。
風流の 初や奥の 田植えうた 田一枚 植えて立ち去る 柳かな | 松尾芭蕉 |
青梅に 手をかけて寝る 蛙かな タラの芽の トゲだらけでも 喰われけり 僧になる 子の美しや ケシの花 | 小林一茶 |
梅雨晴れの 夕 薄月夜 花くちなしの 匂いけり 花びらの 垂れて静かや 花菖蒲 | 高浜虚子 |
梅雨晴れや 垂れすぎて 紫陽花泥に よごれけり 紫陽花や あしたは何の 色を咲く | 正岡子規 |
わが恋は 人とる沼の 花菖蒲 | 泉 鏡花 |
山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 梅雨の満月が 本堂のうしろから 紫陽花も をはりの色の 曇っている | 種田山頭火 |
さつき咲き 薄紫陽花の 参り道 せっかくの 花マンダラを こわす雨 アジサイの 花には滋雨よ 梅雨の入り 法爾自然 降雨も花も あるがまま 一輪の 花に及ばず わが人生 | 住職 |