蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

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寺務雑記

■2024年11月01日(金)

「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は、晩秋の俳句です。

次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
メール・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文がネット上にも飛び交うことを願っています。

秋深き (となり)は何を する人ぞ
三日月の 地はおぼろ(なり) 蕎麦(そば)の花
()父親(おじおや) 孫の栄えや 柿蜜柑(みかん)
松尾芭蕉
信濃(しなの)では 月と(ほとけ)と おらが蕎麦
はづかしや おれが心と 秋の空
散る(すすき) 寒くなるのが 目に見ゆる
小林一茶
初なりの 柿を仏に そなえけり
蕎麦白く 柿の紅葉 夕栄(ゆうばえ)
柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺
正岡子規
新米(しんまい)の ()一粒(ひとつぶ)の 光りかな
よろよろと (さお)がのぼりて 柿(はさ)
一語(いちご) (われ)一語 秋 深みかも
高浜虚子
渋柿(しぶがき)の 花ちる里と (なり)にけり
残月(ざんげつ)や よしのの里の そばの花
温泉()の底に (わが)(あし)見ゆる けさの秋
与謝蕪村
いつも一人で赤とんぼ
ほろほろ酔うて 木の葉ふる
散りしくまへのしづかさで大銀杏
   歩くほかない秋の雨ふるつのる
種田山頭火
この秋は 墓石に止まる トンボなし
富士山に 雪帽子なく 秋未だし
秋祭 暦の通り 秋まつり

庭先に 桔梗(ききょう)咲きけり 廬山寺(ろざんじ)
   紫式部(むらさきしきぶ) 今に()りせば
越前(えちぜん)の 静謐(せいひつ)なるかな 和紙の里
   ()き漉き漉いて 千余年なり
敦賀(つるが)での 最期むなしき 天狗党(てんぐとう)
   尊王(そんのう)攘夷(じょうい)の 心(たけ)きも
住職