蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

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寺務雑記

■2025年05月01日(木)

「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は、五月・新緑の俳句です。

次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
メール・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文がネット上にも飛び交うことを願っています。

躑躅(つつじ) 染むる涙や ほととぎ()
鰹売り いかなる人を 酔はすらん
雨折々 思ふことなき 早苗哉
松尾芭蕉
つつじ多き 田舎の寺や 花御堂(はなみどう)
日本橋や (あけぼの)の富士 初松魚(かつお)
何もなき 水田(みずた)の上や 五月雨(さつきあめ)
正岡子規
竹の子の (やぶ)にらみたる (ほとけ)
大江戸や 犬もありつく 初鰹
折々は 腰たたきつつ つむ茶かな
小林一茶
風吹けば 来るや隣の 鯉幟(こいのぼり)
江戸亡ぶ (まないた)()り 初鰹
一輪の 牡丹(ぼたん)かがやく 病間(びょうま)かな
高浜虚子
花散りて ()()の寺と なりにけり
宵々(よいよい)の 雨に音なし 杜若(かきつばた)
朝比奈(あさひな)が 曽我(そが)()ふ日や 初かつを
※朝比奈・曽我:『曽我物語』の一節。鎌倉幕府の御家人和田義盛が、曽我兄弟の兄十郎の恋人で遊女の虎に執心し、息子の朝比奈三郎義秀に命じて十郎と虎を呼びに行かせる話。
与謝蕪村
空へ 若竹のなやみなし
伸びぬいて 筍の青空
青葉若葉のひとりです
種田山頭火