蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

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寺務雑記

■2025年09月01日(月)

「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は、残暑と初秋の俳句です。

次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
メール・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文がネット上にも飛び交うことを願っています。

牛部屋(うしべや)に 蚊の声(くら)き 残暑かな
ひやひやと 壁をふまえて 昼寝哉
初秋(はつあき)や 海も青田も (ひと)みどり
松尾芭蕉
()の神も 御病気とやら この残暑
滝の音 残る暑さも なかりけり
初秋(はつあき)の 富士に雪なし 和歌の嘘
正岡子規
(すすき) 秋の(あつさ)も けふ(きょう)(あす)
萩の葉に ひらひら残る (あつさ)
名月を 取ってくれろと 泣く子かな
小林一茶
百姓の 木陰に休む 残暑かな
襷とりながら案内(あない)や 避暑の宿
自転車に 跨がり蝉の 木を見上げ
高浜虚子
伶人(れいじん)の やどりにのこる 暑さかな
蝉鳴くや 行く人絶ゆる 橋ばしら
温泉の底に 我足見ゆる 今朝の秋
与謝蕪村
秋暑い 鉄鉢で お米がいっぱい
踏み分ける 萩よ すすきよ
ほろほろほろびゆく わたくしの秋
種田山頭火
紅葉を 待たず落葉(おちば)の 桜かな
紫陽花の 残り葉のふち 日焼けせり
彼岸前 今年も咲くか 彼岸花
住職