蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

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寺務雑記

■2025年10月24日(金)

「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は、仲秋の俳句です。

次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
メール・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文がネット上にも飛び交うことを願っています。

()りて 柿の木持たぬ 家もなし
一つ家に 遊女(ゆうじょ)も寝たり 萩と月
まつ茸や しらぬ木の葉の へばりつく
松尾芭蕉
初なりの 柿を仏に そなへけり
一日の 秋にぎやかに 祭りかな
松山や 秋より高き 天主閣
正岡子規
山柿(やまがき)も 仏の目には 甘からん
初茸(はつたけ)を 握りつぶして 笑ふ子よ
あくせくと 起さば殻や 栗のいが
小林一茶
彼一語 我一語 秋深みかも
快き 秋の日和(ひより)の 匂ひかな
鬼灯(ほおずき)は まことしやかに 赤らみぬ
高浜虚子
渋柿(しぶがき)の 花ちる里と 成にけり
山は暮れて 野は黄昏(たそがれ)の すすきかな
さびしさの うれしくもあり 秋の暮
与謝蕪村
実ばかりの 柿の木のなんと ほがらかな空
熟柿(じゅくし)のあまさも おばあさんのおもかげ
山里は ひたむきに 柿の赤くて
種田山頭火