蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

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寺務雑記

■2025年11月01日(土)

「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は、晩秋の俳句です。

次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
メール・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文がネット上にも飛び交うことを願っています。

刈りかけし 田面(たづら)の鶴や 里の秋
寺に寝て まこと顔なる 月見かな
(つた)の葉は 昔めきたる 紅葉かな
松尾芭蕉
せわしなや 桔梗(ききょう)に来り 菊に去る
三日月の 重みをしなふ すゝきかな
行く秋や 一千年の 仏だち
正岡子規
散る(すすき) 寒くなるのが 目に見ゆる
人並(ひとなみ)に 畳の上の 月見かな
おち葉して 仏法(ぶっぽう)流布(るふ)の 在所(ざいしょ)
小林一茶
雲あれど ()きが如くに 秋日和(あきびより)
仲秋(ちゅうしゅう)や 月明かに 人老いし
一枚の 紅葉かつ散る 静かさよ
高浜虚子
二荒(ふたあら)や 紅葉が中の (あけ)の橋
名月や 神泉苑(しんせんえん)の (うお)(おと)
貧乏に 追つかれけり けさの秋
与謝蕪村
山の紅葉へ 胸いっぱいの声
秋の空高く 巡査(じゅんさ)に叱られた
(いか)めしく門立てり 落葉ふりやまず
種田山頭火