蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

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寺務雑記

■2025年12月01日(月)

「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は師走・年の暮の俳句です。

次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
メール・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文がネット上にも飛び交うことを願っています。

(あられ) 雪も氷も 師走かな
年暮れぬ 笠着て草鞋(わらじ) 穿()きながら
分別(ふんべつ)の 底たたきけり 年の昏
松尾芭蕉
うしろから 追はるるやうな 師走哉
人間を 笑うが如し 年の暮
元禄(げんろく)十五年 極月(ごくげつ)十四日 夜の事也
※元禄十五年十二月十四日は、赤穂浪士討ち入り(忠臣蔵)のこと。
正岡子規
京の師走 高みに笑ふ (ほとけ)
極月や 廿九(にじゅうく)日の 猫の恋
我と松 あはれことしも 今暮るる
小林一茶
女を見 連れの男を 見て師走
ふとしたる ことにあわてて 年の暮
歩み去る 年を追ふかに 庭散歩
高浜虚子
うぐひすの (なく)や師走の 羅生門(らしょうもん)
行く年の ()けの(ころも)や 古暦(ふるごよみ)
芭蕉去りて そののちいまだ 年暮れず
与謝蕪村
鐘が鳴る 師走の鐘が 鳴りわたる
()く声ばかり 聞かされてゐる
暮れてまだ搗いて 餅のおいしからう
種田山頭火